開発までの物語

サラリーマン時代 海外で飲んだお茶が本当に美味しくなかった。

先代から武居商店を引き継ぐまで、私は勤め人だったわけですが、このとき海外をめぐる仕事をしていまして、よく現地の日本食レストランといわれる飲食店に足を運んでいました。最近の日本食レストランは情報通信技術の発達もあいまってか、ひと昔前よりもきちんと日本の味になっていて、偽物っぽさはほとんどありません。
ところが、私の家業であるお茶だけは別物でした。冗談抜きで、本当においしくない。海外では最後にお茶を飲む方が多く見受けられますが、その影響で、店側も口を濯ぐ程度のものとしてお茶を捉えているのではと推測すると同時に、これを日本茶だと思われるのは癪だなと私は思ったのです。

帰国後に感じた日本茶の現状

そうして日本に帰国した後に国内のお茶の文化についてよくよく見返してみると、コーヒーや紅茶の人気が上昇している一方で、日本茶を飲む機会というのは減ってきている現状がまじまじと見えてきました。お茶というものは本来、日本人ならば誰しもが親しむ大衆的な飲み物。しかし近年では、自宅に急須がないという声まであるのです。そんな現在の状況が、私には歯がゆく感じられました。そして何よりも海外の方に日本茶を伝える以前に、私たち日本人のお茶に対して理解のなさが本当に悔しかったし、恥ずかしかった。日本には美味しいお茶と、そして長年培われてきたお茶の文化があります。せっかく日本に生まれたからには、本当に美味しいお茶の味を知ってもらいたい。そして日本茶の文化をもっとたくさんの方に知っていただきたい。私はすぐに勤務していた会社を辞め、本当に美味しいお茶の開発、そして改めて日本にお茶の文化を根付かせるため、国内の産地を飛び回る生活が始まったのです。

有機栽培との出会い、そして商品の完成

飛び回る生活を半年ほど続け、本州、四国、九州とたくさんの産地を周りました。その中で、私は一つの小さな製茶会社と出会います。静岡県遠州森町の株式会社おさだ製茶です。地元では古くから製茶業を営む老舗ですが、全国区の知名度はないため、これまであまり注目されない存在でしたが、その製茶技術もさることながら、私が注目したのはよいお茶を見抜く目利きぶり。他社では取り扱わないような、小さな生産農家のものも取り扱うのですが、この選ばれたお茶は特にうまい。よくよく聞いてみれば、ここのお茶を監修しているのは全国茶技術審査大会で優勝し、農林水産大臣賞を受賞した茶師とのこと。その確かな茶葉への目利きから、私はこことならば理想の日本茶が作れると確信し、こちらからコラボレーションを申し込みました。富士から注ぐ清らかな水と有機栽培製法で生まれる安心安全な茶葉と、日本一の茶師が上品な旨みにこだわって監修した最高級の日本茶です。 本当に美味しいお茶をたくさんの方に知ってもらいたい、そして素晴らしいお茶の文化を 改めて国内に根付かせることが私たちの願いです。